2026年1月25日
大腸の粘膜にできる「ポリープ」は、形や大きさが様々ですが、中には将来「大腸がん」に発展するリスクのある「腫瘍性ポリープ」が含まれます。
多くの場合、ポリープには自覚症状がなく、「便潜血検査」などの簡易検査では見逃されることもあります。
だからこそ、肛門から内視鏡を挿入して大腸全体を直接観察する「大腸内視鏡検査(大腸カメラ)」が、早期発見・早期対処のために最も有効な方法です。そして、もし検査中にポリープが見つかった場合――同時に切除を行うことで、将来的ながんへの進展を予防できる可能性があります。
ポリープ切除 — 方法と特徴
ポリープの切除方法は以下の方法があります。
内視鏡的ポリープ切除術(ポリペクトミー)
ポリープに対し、スネア(先端に輪のついたワイヤー)を用いて根元で締め付けて切除します。出血対策として、必要に応じて当院では止血クリップ処置も行います。
内視鏡的粘膜切除術(EMR)
生理食塩水を注入して粘膜を浮き上がらせ、スネアを使用して焼き切る方法です。
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)や
ポリープが大きい(たとえば20 mm以上など)または形状・浸潤深度の懸念がある場合は、内視鏡での切除が難しいケースもあります。そのような場合は、適切な医療機関への紹介、あるいはより高度な手技を検討します。
多くの場合、ポリープ切除は「日帰り」で可能です。検査当日にスムーズに処置できる体制を整えています。
切除後の過ごし方・注意点
ポリープを切除したあとは、体にとっていくつかの配慮が必要です。快適な回復のため、下記のような点にご留意ください。
•激しい運動や腹圧がかかる動作は避ける
術後約2週間は、筋トレ、重い物を持つ動作、激しいスポーツなどは控えてください。出血や穿孔(腸壁に穴が開く)リスクを減らすためです。
•食事・飲酒の制限
切除後1週間は、消化に負担のかかる脂肪分や刺激物、繊維が多すぎるものは避け、軟らかく消化しやすい食事を心がけてください。また、アルコールは血流を促進し出血しやすくなるため、できれば1週間ほど控えていただきます。
•便通・水分管理に注意
排便時の腹圧や便秘、脱水は傷口に負担をかけます。水分をしっかり取ること、便秘対策を心がけることが大切です。
•鎮静剤使用時の帰宅手段について
検査中に鎮静剤を使用した場合、帰宅時は自転車や車の運転は禁止となります。付き添いや交通手段の確保を事前にご検討ください。
定期検査のススメ — 「見えないリスク」に備える
ポリープは初期段階では自覚症状がほとんどなく、便潜血検査でも見逃されやすいため、特に以下のような方は定期的な大腸内視鏡検査をおすすめしています:
•40歳以上で過去に大腸内視鏡を受けたことがない方
•血便や便通異常(便秘・下痢)、腹痛、腹部膨満などがある方
•ご家族に大腸ポリープや大腸がんの既往がある方
•以前にポリープや腫瘍性病変が見つかったことがある方
再発・新たなポリープの出現もあり得るため、一度の検査で終わらせず、定期的なチェックが「がんを未然に防ぐ」ために重要です。
“予防”としての大腸内視鏡
当院では、大腸内視鏡とポリープ切除を、「病気を治すため」の手段だけでなく、「将来の大腸がんを未然に防ぐための予防医療」と捉えています。
「自覚症状がないから大丈夫」と油断せず、ぜひ一度、お気軽にご相談ください。